課題の概要

研究開発体制

研究開発課題リーダー

佐藤三久(理化学研究所計算科学研究センター 副センター長)

参画機関(大学等)

東京大学、慶應義塾大学、理化学研究所

参画機関(企業等)

OQC株式会社、エヌビディア合同会社、アズラボ株式会社

本課題の特徴

  • 古典コンピュータ(サーバーやGPUクラスタ)、スーパーコンピュータと量子コンピュータをデータ転送量とレーテンシの要求に応じた階層的な構成をもって有機的に接続するためのアーキテクチャの検討
  • ユーザが問題解決のための様々なアルゴリズムを手軽に試すことができ、かつ超並列スーパーコンピュータまでシームレスに行うことができるフレームワークとプログラミング環境を開発する
  • 量子コンピュータ・シミュレータの高速化。スーパーコンピュータ(富岳)、GPUクラスタ、FPGAを利用。
  • 量子・古典融合プロトタイプのための量子コンパイラ技術と最適化
  • 量子デバイ制御/読出しレベルでの量子古典協調と最適化

本課題の目的

  • 量子古典包括API
  • 量子古典融合検証
  • 量子古典HPCシステム
  • 古典デバイス量子AI

成果

量子コンピュータ連携ソフトウェア

  • 量子コンピュータとスーパーコンピュータを連携させるためのシステムソフトウェアの検討と設計を進めています。
  • qubit数が増えるにつれて、エラー緩和や回路最適化に必要な計算量が増えるため、HPCとの連携が重要とされています。
  • 遠隔呼び出し機構を設計・試作し、ローカルエリアネットワークで接続されたGPUサーバーを使用して量子計算シミュレータを実行することができました。
  • 共有の量子計算機を利用する状況を想定し、遠隔呼び出しのスケジューラ向けの拡張をプロトタイプ実装しました。
  • 遠隔呼び出しによる量子コンピュータとHPCの連携のためのソフトウェア・スタックについて検討し、必要な構成をまとめました。
  • プログラミングモデルについても検討を進め、ワークフロープログラミングとSPMPモデルを検討しています。

量子コンピュータシミュレータのFPGA上への実装

  • 状態ベクトル型量子コンピュータシミュレータのFPGA上への実装に取り組んでいます。
  • 状態ベクトル型シミュレータは量子コンピュータの動作を正確にシミュレーションできるが、膨大なメモリ量とアクセスバンド幅が必要となります。
  • FPGAは多数のSSDを接続することで膨大なメモリ量を搭載できる可能性があり、量子ゲートの演算を効率的に行うことができます。
  • TrefoilというFPGAボードを使用して量子コンピュータシミュレータの開発を行っています。
  • 実装したFPGA回路部分ではHゲート、Sゲート、CNOTゲート、2量子ゲートの演算を実現しました。
  • 4枚のボードを使用することで、128枚の並列処理により34qubitのシミュレーションが可能です。
  • FPGAによる量子コンピュータシミュレータは国内外に試作例が少なく、多数のSATAディスクを使用する試みは類例がありません。

量子デバイス制御/読出しレベルでの量子古典協調と最適化

  • 光量子コンピュータ向けプロセッサの開発では、非古典光の処理に必要なタイミング同期システムの構築が進行中です。
  • GKP (Gottesman-Kitaev-Preskill)
    状態の効率的なシミュレーション方法について検討し、エラー訂正に用いるパルスシークエンスの最適化を実施しています。
  • 大規模な量子状態のシミュレーションに向けて、大自由度の調和振動子の効率的なシミュレーション方法を開発しています。

今後の展望

量子HPC基盤の構築に向けた目標

  • 量子古典HPC包括的プログラミングのためのAPI・プログラミングモデルの設計
  • 自動的かつ効率的な汎用的量子回路最適化技術基盤の確立
  • 量子/古典最適化、ゲート型量子計算、量子/古典機械学習計算の検証

量子古典HPCシステムの動作検証

  • 量子古典HPCシステムの一般公開と運用
  • 携帯端末やノートPCなどの古典デバイスを用いた量子AI予測の実現