京都大学大学院情報学研究科原田健自助教、東京大学大学院理学系研究科大久保毅特任准教授、東京大学物性研究所川島直輝教授は、テンソルネットワーク(以下TN)をベースとした生成モデルの新しい構築法を提案し、その有効性を示しました。
生成モデルはほとんどの場合ニューラルネットワークがベースとして使われており、ネットワーク構造の最適化についてはまだあまり研究が進んでいません。
本研究では、ツリー型TNとして表現された波動関数と確率分布の対応関係を利用したボルンマシンを考え、これに対してネットワーク構造最適化を行う生成モデル構成方法(適応的テンソルツリー、ATT)を提案し、その有効性を実証しました。
具体例として、株式の騰落パターンのデータからATTによって生成モデルを構築すると、学習が進むにつれて株式銘柄間の相関関係が自然とネットワーク構造に反映されていく様子が観察されました。
ATTによってどのようなサンプルに対しても生成モデルを構築することができるため、従来は捕捉しにくかったさまざまな相関構造の解明や新しいAI構築のための枠組みとしても役立つものと期待できます。
本研究成果は、2025年4月1日に、国際学術誌「Machine Learning: Science and Technology」にオンライン掲載されました。
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